炎症性腸疾患は、嘔吐、下痢、食欲不振、血便などが慢性的に生じる胃腸の病気です。


犬や猫の炎症性腸疾患


炎症性腸疾患は、自己免疫疾患の一つで、免疫に関わるリンパ球や形質細胞、白血球の一種である好酸球などの胃炎性細胞が、腸管の粘膜固有層にまで浸潤し、腸粘膜を傷付けて潰瘍を起こす病気です。
炎症性腸疾患は、嘔吐や下痢、食欲不振が慢性的に続くため、徐々に衰弱していきます。

炎症性腸疾患とは

犬や猫の体には、細菌やウイルスの侵入を防ぐために、体内に入った異物を排除しようとする防御システムがあります。

しかし、口から取り込む食物は異物で、腸内に存在している腸内細菌もまた異物です。

これらに攻撃をしかけないのは、現代の免疫学の大きな謎の一つですが、腸管粘膜内の細胞と肝臓の細胞とが連絡を取り合い、どの異物に攻撃をしかけるか、しかけないかを微妙に選別していると考えられています。

炎症性腸疾患は、このような微妙な選別が正常に機能しておらず、食物や腸内細菌に対しても防御システムが働いてしまい、慢性的に炎症が起こり、腸粘膜を傷付けて潰瘍を起こしてしまう病気です。

炎症性腸疾患は、遺伝性、食物アレルギー、細菌感染などが原因となって発症すると考えられていますが、はっきりした原因は完全に解明されてはいません。

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炎症性腸疾患の原因は、遺伝性、食物アレルギー、細菌やウイルスの感染、もしくは、それらの複合的な要素によって発症すると考えられています。
炎症性腸疾患の末期症状は、腸粘膜からのタンパク喪失が激しくなるため、重度の低タンパク血症を起こして腹水が溜まってくる場合もあります。